袴田朱夏

袴田朱夏

色を抜くのは妊娠以来なんですと春にささげるまだ黒い髪

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袴田朱夏
袴田朱夏

息を吸う　もうこれからを空っぽなものにたとえてしまわぬように

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袴田朱夏
袴田朱夏

梅の香をあなたに運ぶ東風となり思い出させてあげるしもらう

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袴田朱夏
袴田朱夏

全権を春に渡して惜しまれることなく眠る冬はいいひと

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袴田朱夏
袴田朱夏

ホスピスに卒業はなく三月のあらたな風に入れ換わりゆく

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袴田朱夏
袴田朱夏

放課後の春の発声練習のあなたのいないアルトが弱い

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袴田朱夏
袴田朱夏

関節に見入つてしまふ中指が猟奇が丘の春に遊びぬ

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袴田朱夏
袴田朱夏

ウグイスだと云へば我が子はイスだけを理解し椅子を持ち出す四月

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袴田朱夏
袴田朱夏

夜、丘に。君の気持ちも桜。ほら、草餅も木の幹に香るよ。

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袴田朱夏
袴田朱夏

自粛では消費しきれぬ春があり川辺に子らがたんぽぽを吹く

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