うしめ

うしめ

空に向かって伸びたクスノキの本名は聞かずに手を添えている

0
うしめ

失ったのはなに、考えても仕方のない事を考えている

0
うしめ

一人になりたくて始めた山歩きで得た友と来し山に一人

0
うしめ

緑濃き雑木林の評判の立ち枯れの松凛としており

0
うしめ

見上げれば所どころに夏の雲六月の雨やみて間もなく

0
うしめ

二次会のコーヒーはたぶん苦いので野暮用あると嘘をつきたり

1
うしめ

動くものなんにも無くて坂道は外灯の先の闇に続きぬ

0
うしめ

夏の夜のそよ吹く風に君の香の一かたまりが通るベランダ

0
うしめ

夜襲なる線上降水帯 くるぶしの蚊を平手打ちせり

0
うしめ

その訳は気になる人に遇いましてすれ違うのは勿体ないなと

0