うしめ

来る人も行く家も無いお盆かな昼まで咲いてる朝顔五つ

右手にはノコギリ鎌を左手は夏草の首　がりがりと刈る

紺碧の空にま白く輝きて迷いなく行く旅客機一機

線香を一本あげて初盆に麦茶一杯よばれて帰る

むせ返る暑さ踏み行く農道に刈り残されて咲くユウゲショウ

雲の群れ昨日は西へそわそわと今日は南へあたふた走る

よそ行きが普段着になり夏が終えサメ柄のシャツを作業着にする

ヤシの木がプリントされたシャツにあせ残暑見舞いの梨五箱買う

この国に蔓延してる不正かな毒饅頭は意外とうまい

道ばたの下から覗く合歓の花十二の夏の風が吹きぬく

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