うしめ

うしめ

湯を注ぎ三分間を瞑想す命減りゆく秒針の音

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うしめ

子はバイト妻はパートへそそくそと流れ緩まる畳掃く音

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うしめ

ふわああっと行くあてのないホタル飛ぶ浚渫されし川面の上を

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うしめ

茅の葉に息ととのえて明滅す迷いほたるがふわりと上がる

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うしめ

枯れ枝の力尽きたる音のあと藪を騒がせそして静寂

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うしめ

倒木を踏みつけて行く廃道にいにしえ人の苦楽を思う

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うしめ

葉の先の池に落ちゆく水玉が一粒分の水位を上げる

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うしめ

がやがやと夜通し歌う蛙らに一日分のストレスを吐く

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うしめ

しろく咲く野茨なるも君を抱く心臓に棘ささるまで抱く

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うしめ

もう夏の顔をしている太陽を背に来る君の麦わら帽子

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