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板壁の木目も深き古き店蕎麦屋の親爺の皺も深みが

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色あせし紺の暖簾は仕舞われて閉店の紙 街の食堂

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友の家玄関横に空き缶が中に吸殻ヤニの臭いす

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紫の煙漂うベランダに舞うこと出来ぬ蛍一匹

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金槌を息も切らさず打ち付ける刀鍛冶師の瞳は熱く

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刀剣の妖し輝き冴えわたる刀鍛冶師の鋭き眼

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初夏の田畑に並ぶ鉄塔は電車ごっこのように戯れ

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カーラジのマーチとぴたり合っている歩道の少女の粋な偶然

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公園のベンチに座り缶コーヒー飲めば苦味に君の面影

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御朱印の流行りと聞きて亡き妻の帖を開けば昭和の日付

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