めるへん

名歌とて陽の目見なけりゃただのゴミ土に還してせめて肥やしに

突然に逝ってしまった君だった介護の歌も詠みたかったな

風吹いてこのもやもやを消してくれやさしくゆっくりなでるようにさ

究極の片思いなり亡き妻の温き肌にはもはや触れず

鯉のぼり中身ないから空泳ぐ正邪の詰まる人は泳げぬ

妄想の君をますます恋しくてざわめく心抑えられない

対向のダンプに向かいハンドルを　やりはしないがたまに妄想

大谷になれる確率八十億分の一　めるへんになるも同

独り身は気楽なものと強がるも君を恋しい夜も時には

君逝きてようやく気付く浅はかさ換算できぬ家事の貴さ

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