
凪いだ海の上の


白紙のノート シャーペンを投げた テスト前 振り向くも霞む 家族の愛情

夜 くりかえしている おんなじ景色 止まった秒針 ながれる時間

寝た電球 にーにーごーきゅう 目が冴える PCから垂れた。 ”若者のすべて”

目の前で女生徒が開ける単語帳 新品のそれを葉桜も覗く

朝食のシチューが喉までせり上がる 手にはテストが 見るにこたえる

わからないまま長針が2回転 逗まる心 「ワタシガキライ。」

こんこんと 雫がノック 「この窓を開けてください!」 「却下。寒いの。」

越せぬまま 去りゆく緑の人工芝 痛快に刺さる 初春の北風
