塩本抄

塩本抄

初氷踏み割ったよう散る鏡るいりかば僕の目いなけ情

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塩本抄

声ならば覚えてゐますほつほつと穂先の抜けてゆく竹箒

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塩本抄

側溝を流れる銀の音今日も街が始まるアラームひかる

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塩本抄

図書室を吹き抜ける風ぼくたちの生きる速度じゃ追いつかないね

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塩本抄

外された眼鏡に映る詩のようなひかりをずっと追いかけている

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スーパーのポテトサラダを堂々と買うから援護射撃を頼む

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塩本抄

寒空に牡牛座から降る星を待つこのベランダを屑籠として

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塩本抄

どっちでもいいけどかるいさわと読むとき立ちのぼる朝霧の濃さ

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塩本抄

ばあちゃんにそっくりだからこの声で母は少女に戻るのだろう

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塩本抄

つよくなるにはあと何が要るかしらジムの帰りにグリコを齧る

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