塩本抄

塩本抄

ただきみの安らぎを希う秋分の日に彼岸花咲き揃いたり

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塩本抄

きっともう願いを叶えたのだろう観音堂の褪せた鶴たち

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パンかしらおうどんかしらと囁いて黄金の風を成す麦畑

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倒れても陽のある限り起きあがる台風一過のコスモス畑

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花火まだ終わらないねと呟いたきみの真意を図りかねたい

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排水が川へ流れて立つ波のどれもひかりの彫刻なのだ

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約束を着ていく 台風が残したサマーニットのくすんだ青を

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ひと晩で半分減ったカブトムシゼリーは銀河のいろをしている

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初盆の歓談途切れ亡き祖母と水羊羹をすくっておりぬ

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やさしさをまた間違えてコーヒーを飲めない量で渡してしまう

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