恋子

恋子

せんないね残り香だけのひとり酒あなたに酔っても酔わせぬ徳利

0
恋子

抜く襟に後れ毛妖しゆく春の女将の流す目もとの涼し

0
恋子

茶葉の揺れジャスミンの香のこぼれゆく砂時計立て流れさらさら

0
恋子

じゃあまたと心の扉閉め切って世間の闇に参加する挙手

2
恋子

まだもっと甘さが欲しいこの恋に塩をかけ振りあっさり振られて

2
恋子

鳴くカラス言ってはくれぬか囀りと恋の証の濡れ羽色でも

0
恋子

あるじなき恋がさ迷う春の海連絡船は通うというに

0
恋子

朝霧の山は水墨幻想の心くすぐる一筆啓上

0
恋子

聞けないよおさげをやめた訳なんて大人の恋はまだできません

0
恋子

うなずけば目許の濡れて妖しくてそっと肩抱き恋のくちづけ

0