恋子

恋子

下駄をはきそぞろそぞろと闊歩する独りよがりの番記者に似て

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恋子

陽も風も柔らかくなって知る秋に恋のなぐさめ恋の埋め草

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恋子

薄ものに羽織る一枚秋と知る夜ごと燃えれど秋を知る朝

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恋子

おはようと窓を開ければやわき風秋にこの部屋盗めと誘う

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恋子

小庭にも色とりどりに咲く秋の人とひとにはついすきま風

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恋子

人肌の恋しさびしと秋ひと夜ゆびの虚しく膝抱くひとり

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恋子

徳利に一輪活けて酔芙蓉手酌も嬉し少し華めく

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恋子

湯豆腐に誘惑される秋の酒鍋に広がる呑兵衛広場

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恋子

逢いにきた夢路をたどりあの人が笑顔のまま秋扇のまま

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恋子

まどろめば秋の夢路のしっぽりとあれはいつの日艶歌のようで

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