恋子

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廃寺の草木が護る山門の通う人あり一尺の寝草

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糸を垂れうつらうつらと浮世人浮寝鳥いて波紋ふれあい

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浮草や水面に映す浮浪雲一期一会の楽しみを知る

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秋を聴く下弦の月に楽団は草の広場に晩夏を告げて

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からくりを吐き出す夏の薄着には学んでうれし騙し手法

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山小屋の凍て冴え星の寝酒には俳句手帳と夏炉のぬくもり

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暑いから髪を束ねて髪飾り後れ毛乱れ恋まで乱し

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せせらぎにどうよと魅せる川蜻蛉恋の夢路の寄る辺の標

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看護師の夜勤の足音浮かぶ顔寝たふりしょうか声かけようか

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病室に放屁一つが暴れ出す腹を抱えて盲腸順調

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