恋子

恋子

さびしげにかくれるように夕菅の咲けば恥ずかし人見知りする

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恋子

片肩を濡らしてうれし恋の雨うつろう時を君に感じて

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恋子

墓かざる色鮮やかな盆灯籠寺町風情広島の盆

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恋子

君影草そんな異名の鈴蘭の白の優雅の片陰の恋

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恋子

そんな日はさらさら小川の岸にいて恋の痛手を笹の小舟に

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恋子

立秋と聞けばほのかな風の香のどこぞあそこか残暑お見舞い

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恋子

待ちますとあれからすでに半世紀老いのすごろく恋のサイコロ

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恋子

佇めば静かな風や木下闇なにかを問われ老いも整う

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恋子

寝乱れもひとり寝わびし短夜の恋ぞ虚しく寝待ちの月に

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恋子

川隔て向かいは女郎街鏡川五歳のガキにまばゆいばかり

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