恋子

恋子

秋彼岸空席のままの指定席老いて盛ん此岸の未練

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恋子

たまゆらの古人を騙り大和路の時空に触れて不知を恥じ入る

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恋子

まどろめば浮かんで消えて一行詩夢路に残す儚き詩人

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恋子

足音を足跡にして野仏の誰を祀るや野花一輪

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恋子

彼岸の入りどこもかしこも菊花展桜が好きと無茶言う先祖

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恋子

気まぐれな秋の天気のわがままは猫の目に似てはた目をかけず

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恋子

博識が道理倫理の邪魔をする薄識ほどの秋は楽しき

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恋子

秋時雨恋が喜ぶ相合の夢は膨らみ片肩濡らす

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恋子

千々に乱れ恋文などしたためて秋の夜長は夢に抱かれて

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恋子

恋という言葉の響きに踊らされ踊り切れずに愚恋の名取り

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