梅鶏

梅鶏

いくつもの洗濯ばさみに挟まれて夏の夜風に晒されている

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梅鶏

盆を過ぎ秋めく風の確かさですべての庭に来る季重なり

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梅鶏

哀しみに魅せられているかのように西日のきつい階段にいる

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梅鶏

「あま〜いあま〜い石焼き芋」がこだまする団地は二階建ての山脈

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梅鶏

弁当の中で寝ていたタコさんを丸ごと放り込む昼下がり

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梅鶏

遠い日の逃げ水を見る延々と母の話を聞く夕暮れに

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梅鶏

汐風に撫でられながらぽろぽろと記憶を失くす軍艦島は

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梅鶏

絵日記をまとめ書きして閉じるとき夏の終わりの突風が吹く

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梅鶏

失った過去は戻らぬ夕暮れに彫刻刀で削る木版

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梅鶏

丁寧に巻くこともないこの先はロールキャベツも君のパンツも

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