梅鶏

梅鶏

子の出した弁当箱に齧られたウサギの耳が残されている

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梅鶏

ロキソニンテープの「1」を剥ぐ 人が一人で生きていける世界で

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梅鶏

どこまでも運んでくれる一冊の短編集のような自転車

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梅鶏

また君は門外漢のふりをする浅瀬を足に絡ませながら

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梅鶏

まだ君の飛ぶことのないヒコーキの折り目すべてが成長だった

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梅鶏

「団結」と背中に書いたTシャツがずっと一人のまま過ごしてる

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梅鶏

襟足の常に揃った父だった元理容師の母の手により

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梅鶏

十二月は事件が増えるサンタへの手紙を盗む大人が増えて

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梅鶏

飛車角を抜いた将棋のようにして一人暮らしがスタートを切る

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梅鶏

思い出には少しの嘘が混じってるどこがそうかは忘れてしまう

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