万葉の 道を尋ねて 幾千の 出会いと別れ 縁(えにし)の風に
題『万』 にて
悲しくて 泣きたい夜に 泣けなくて あるはずのない 答え探して
題『答』 にて
人間が 終焉迎える その前に 本を一冊 書き残したい
題『終』 にて
みどり散る 背中まるめた 父の目に 母が育てた アネモネゆれて
題『みどり・緑』 にて
金継ぎの 茶碗手にとり 見つめては 人と人とも こうありたいと
題『見』 にて
もう二度と触れることない唇は ささやく声と甘い口づけ
題『甘いものを読み込んで』 にて
降る雪に 手編みのセーター 村地蔵 子供を亡くした 母の想いか
題『雪』 にて
寒い日も 冷奴にネギ 缶ビール 愛した人は どうしてるだろ
題『寒・冷』 にて
公園の 桜の下で 戯れる 子供の背中 追いかける春
題『自由詠』 にて
寂しさは祭りのあとの静けさは 別れた人の後ろ姿は
題『祭』 にて
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