張り紙の「頭上注意」を見るぼくの足を狙ってくる詐欺メール
枝豆とビールが旨い 太陽にいつか飲まれる地球の上で
このままの関係でいい 読めるけど書けぬ漢字のようなあなたと
熱狂は推しの引退にて終わり ペンライトから電池を外す
いつからか見えなくなった ビー玉の中に広がる緑の宇宙
助手席のあなたの「帰りたくない」に法定速度を超える心拍
鮮やかなパプリカの赤 夢だけを追った都会の地下鉄の色
母の持つテンプターズのレコードに昭和の風が渦巻いている
入院の長引くきみを想う夜 祈りのような遠吠えを聞く
幼くて届かなかった 本棚の最上段のリルケの詩集
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