さんぽ道歩き疲れて背負われて 子守唄うたう祖母の背中
題『母』 にて
悴んだ両手で包むマグカップ じんわり温もる珈琲の湯気
題『温・暖』 にて
会いたいと思うあの人と夢の中 いつもの会話に朝起きて泣く
題『泣』 にて
沈んでた嫌な記憶浮き上がる 根付く前にそらし切り離す
題『離』 にて
真夜中に毛布から出る腕や足 冷気は肌をひたひた触れる
題『触』 にて
悶々と思考巡らせ眉間に皺 寝て起きれば すぐ辿り着き
題『着』 にて
チョコ融かし既存の型から貴方への 気持ちの形に変える儀式
題『チョコ』 にて
本当は私にそんな資格ない 得る引き換えに指輪抜け落ちる
題『自由詠』 にて
夕闇でエレクトリカルに光る犬 ご機嫌な様子にこちらもほころぶ
題『犬』 にて
蛍光灯かざし透き通る蛍石 凍てつく湖 底で春待つ
題『石』 にて
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