父母亡くし二十代半ばで米屋継ぐ孤軍奮闘の友どうしてる
題『店』 にて
九十九(つくも)坂彩る紅葉(もみじ)の鮮やかさ渋滞さえも癒しの時間
題『時』 にて
遺された母の洋服手にとって思い出のかけら拾い集める
題『服』 にて
おさがりを断固拒否して妹は新しい服手に入れ笑顔
題『服』 にて
忘れない色と匂いと吹く風とあなたと最後の桜並木を
題『自由詠』 にて
初めてのひとり暮らしの部屋訪ねドアを開ければそこは異世界
題『自由詠』 にて
逝(ゆ)きてなお想いは強く残れどもあなたは遠い過去の人になる
題『遠』 にて
新聞のお悔やみ欄で名を見つけ思わず手に取る卒業アルバム
題『新』 にて
たとえそこが脱出できない樹海でも飛び込みたいのあなたの心に
題『海』 にて
突然に途切れた会話見つめ合うあなたの瞳に私はいない
題『話』 にて
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