梅雨だった印忘れた雨雲に万歳叫ぶ田の稲踊る
題『印』 にて
夕暮れに取り残された恐竜の玩具をベンチに座らせて去る
題『公園(テーマ詠)』 にて
ジョギングで駆け抜ける度についてくるよその犬(こ)と主の綱引き始まる
題『犬』 にて
冷たくて甘いもの食べる夢見つつ三列に並ぶホームの前で
題『冷』 にて
あの服をたまに虫干しするように叶わないない願い短冊に書く
題『七夕(テーマ詠)』 にて
寝不足の眼裏に映る日曜日乗せ行く通勤電車に揺られて
題『自由詠』 にて
違う色混ぜる味わい楽しんで子のパレットの瑞々しさよ
題『サラダ(テーマ詠)』 にて
熱帯の森にいた頃の眼差しで貴方を見ている夢をみた夜
題『暑・熱』 にて
七番目に生まれたらしい子がらすと見つめ合いつつ陸橋下る
題『七』 にて
学生が追い越しシャツがはためいて青春が帆を張るように飛ぶ
題『春』 にて
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