お題 題『経』 お題 2024.03.05 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
年経れば未来は小さくなるけれど過去は広がる思い出の灯り
アルバムを見ながら吾子が唱えてる喃語はまるで般若心経
笑ってていいよこれから君たちも経験するであろう苦味を
時が経つ速さはぐんぐん加速して今はリニアに乗ってるたぶん
日経で芋を包んでいつもより少しリッチな気分で生きる
経木解きおにぎり二つ座っている母が待っていたように見えて
年を経た枯草色の孫の手を「祖父の形見」とまだ捨てぬ祖母
年月を経て味わいの深くなるワインの様に歳をとりたい
海を経て山へと帰るこの水が深き緑を里にもたらす
キツネ顔経理部員に頭下げ仕事だからと唱え続ける
20年経って分かったこともある知らなきゃよかったこともあるけど
経年を愛でたピアスにグレイヘア微笑む口元紅く染めゆく
来ない君 降り続く夜 濡れながら 雪へと変わる 雨は時を経て
このバスは幸せ行きでございます途中試練を経由いたします
何事も必ず終わりは来るものと凍える冬を経てふと思う
経年変化好きなんです真鍮、壁紙、私、って言えますように
やっと春つく一息に降る小雨
揺れる時経て枝は芽吹き
まわり道老後経由の恋なんて発酵続ける古漬けのよう
経済が回ってるのは俺たちの可処分所得これがあるから
写経するようにあなたの輪郭をなぞることだけぼくにはできた
高度成長期に生まれバブル期経験しても暮らしは質素
般若心経唱えてみれば解らぬも清し光に心洗われ
読経す僧侶の美声 静寂を祈りで満たし清く響いて