・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください
着古したシャツとズボンで街をゆく時代遅れの男が一人
辿り着く八つ墓村の入り口で「祟りじゃ」と言う老婆に遇えり
飛行機が着いて静かなロビーにはたちまち人のざわめきが満つ
卓袱台の上で自分と向き合えば置かれたスマホ突如着信す
浴衣着た君のうなじが眩しくて雲に隠るる十五夜の月
君からの着信音心待ちにしていた頃遠い過去のこと
とにかくも ここが私の着地点 描くでもなく踊るでもなく
ひと目見て我の心に着火せし洒落た冠羽のヤマセミ飛翔
着いたらば起こしてと眠る助手席 ドライブの帰路 もうすでに宵
着いたなら電話してねと言われたが結局君にはたどり着けずに
汗土で汚れた服は着せられない拒む俺から君は剥ぎ取る
慟哭(どうこく)の如く雨声(うせい)に覚醒す 明け方に到着す台風
見ていても 見てはくれない あの人の 着信音を 変えてみた夜
浴衣着て祭りに向かう孫のあと アブラゼミの声高く透りたり
中身知り夢破れたのは幼き日 暑さねぎらう着ぐるみに今は
若き日は最新の曲着うたに今はスマホの内蔵の音
とりたてて誇れることはないけれど望まれること着々こなす
着慣れない服を着込んで花を買い祝いの席へ向かう夕暮れ
着古した 夏を脱ぎすて 新しい 風とテイシャツ 海鳴りと恋
あの日には ラフな気持ちで 待ち合わせ いつのまにか 翻弄される着地点
きみからの不在着信折り返す留守電になるまであと二回
汗だくになって家まで辿り着き先ずは冷たい麦茶をゴクリ
実家から着いた荷物にA4の便箋いっぱい母親の文字
着信音 途切れてひとりベランダへ都会の星は届かぬ光
着古したシャツとズボンで街をゆく時代遅れの男が一人
辿り着く八つ墓村の入り口で「祟りじゃ」と言う老婆に遇えり
飛行機が着いて静かなロビーにはたちまち人のざわめきが満つ
卓袱台の上で自分と向き合えば置かれたスマホ突如着信す
浴衣着た君のうなじが眩しくて雲に隠るる十五夜の月
君からの着信音心待ちにしていた頃遠い過去のこと
とにかくも ここが私の着地点
描くでもなく踊るでもなく
ひと目見て我の心に着火せし洒落た冠羽のヤマセミ飛翔
着いたらば起こしてと眠る助手席
ドライブの帰路 もうすでに宵
着いたなら電話してねと言われたが結局君にはたどり着けずに
汗土で汚れた服は着せられない拒む俺から君は剥ぎ取る
慟哭(どうこく)の如く雨声(うせい)に覚醒す 明け方に到着す台風
見ていても 見てはくれない あの人の 着信音を 変えてみた夜
浴衣着て祭りに向かう孫のあと
アブラゼミの声高く透りたり
中身知り夢破れたのは幼き日
暑さねぎらう着ぐるみに今は
若き日は最新の曲着うたに今はスマホの内蔵の音
とりたてて誇れることはないけれど望まれること着々こなす
着慣れない服を着込んで花を買い祝いの席へ向かう夕暮れ
着古した 夏を脱ぎすて 新しい 風とテイシャツ 海鳴りと恋
あの日には ラフな気持ちで 待ち合わせ
いつのまにか 翻弄される着地点
きみからの不在着信折り返す留守電になるまであと二回
汗だくになって家まで辿り着き先ずは冷たい麦茶をゴクリ
実家から着いた荷物にA4の便箋いっぱい母親の文字
着信音 途切れてひとりベランダへ都会の星は届かぬ光