うたの日

ふにふにヤンマー

オルゴヲル櫛歯の鳴きてまた鳴きて鳴けどもひとは哀しみの箱

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ふにふにヤンマー

国境を目指す母子を待ち受くる運命の岐路ほどの星空

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ふにふにヤンマー

ひとを探る目に育ちきぬ ひた待ちて咲けるダリアの緋の疎ましき

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ふにふにヤンマー

先立ちし子の丈ほどに縮みゐる老躯もていく月忌の墓に

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まさけ

常識の錆びた楔が抜け落ちた姉の彼女が実家に来た日

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奈瑠太

トン・トタン・ト・トトトトタと降り出しの雨が屋根打つ梅雨のエチュード

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だいだい

わかってる「ところにより雨」のところにはたぶん私が含まれている

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ふにふにヤンマー

十代の高潔のはや遠きこと 醤油を弾く澄んだいか刺し

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袴田朱夏

あの雲の高さから落ちたにしてはやさしい雨だ さよなら、ディラン

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ふにふにヤンマー

粗目雪鳴らないでいてあのひとにきっとわたしとわかってしまう

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