澄水

そよそよと秋の朝風吹かれてやクレメンティのソナチネを聴く

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澄水

百日紅咲く秋の朝薄紅の花愛でる人悪くはないか

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澄水

宵の風部屋の明りを灯してや読書する人秋となりたる

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澄水

悲しみを歌って暮らす秋となり水の色澄み心も変わる

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澄水

こんもりと夾竹桃が紅く咲き秋空の下花の潤い

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恋子

立秋と聞けばほのかな風の香のどこぞあそこか残暑お見舞い

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澄水

鈴虫が鳴き出した夜暑いけど秋は来にけり小さな秋が

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澄水

よく響く小さな声で鉦叩き秋が来たこと静かに告げる

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澄水

秋めいて鴉が帰る夕暮れを帰る所無し我は身無し子

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恋子

日傘して盛りの中を喪の姿せめて俺は晩秋に逝こう

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