初恋

聞いていた話と違う初恋の香りは錆びた手すりの匂い

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題『色を読み込んで』

プリズムで色なき心透過させ七つの色を手に入れる朝

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題『空』

ふと窓に映った空に目をやると流れる雲が心連れ出す

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題『切』

生まれ来る赤子の服のタグを切る優しき君はとっくに母よ

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題『一』

「淋しいな」ポロリこぼれる一人言寒い部屋には聞く人もなく

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題『痛』

みな違う痛みを抱え生きている幸せそうな顔をしながら

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題『ユニクロ（テーマ詠）』

夕立に急ぎ駆け込む服の森棚に広がるフリースの虹

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題『切』

切なくて眠れぬ夜は思い出を　ゆりかごにして少しまどろむ

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題『遠』

沈む日の早きをおもうこの夕べ暑さの記憶はすでに遠のき

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題『色を読み込んで』

濃い黒と深い紺との境目を彷徨いながら畳む靴下

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題『色を読み込んで』

枝先に薄茶の枯葉ゆらゆらとどこに手招く夕暮れの時