皿

夕されば秋がうなづく陽が落ちる目刺しの皿に二合の徳利

日盛りに胡瓜断ち割り塩まぶし祖母のおやつははちきん皿鉢

無意識の鰯焼かれて皿の上箸でつままれ純粋贈与

採取した苔皿に乗せ水やれば何か可愛い苔も生きてる

焼いたパン載せた皿には欠片ありてご苦労さまとゴミ置き場に出す

「苦手や」と私の皿に乗せんといてピーマンだらけになってしもたやん

蝋燭の溶け切る皿に小灰蝶(俳句)

法律は差別や恨みを賄う受け皿などは用意できない

この数が足らぬと君が言ったから菊の命日「皿だ！」記念日

平皿のところどころで垂れそうなカレーは母の愛だと知った

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