蓮

ひとしずく真珠の玉の形して釈迦の指より滴りて蓮

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題『経』

おそなえのハッピーターン食べたくて祖母と唱えた般若心経

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題『名』

逝く夏を名残惜しげに哭く蝉の声を消してく夕立の音

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題『逆』

いつもとは逆の方へと動き出す電車に心躍る休日

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題『言』

痛いともなんとも言わない奴だから気にかけてみる肝臓のこと

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題『言』

君だけに半分にしたクッキーの大きい方がほしいと言える

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題『久』

誰もみな人より長けたものを持つ永久欠番背中につけて

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題『夜』

寝つけないそんな夜には紙の本できれば長い文章だけの

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題『また』

年賀状「また会おうね」と書くけれど「また」がいつかは書けない二人

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題『楽器（テーマ詠）』

フルートで最初にラの音出た時は嬉しかったな十三の春

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題『先』

後先を争いながら駆けてゆく子らの行く手の澄んだ秋空