クルクルバニー 重
クルクルバニー
ふにふにヤンマー 臥す母に朝餉の匙を運びつつ知らず左の手を重ねをり
クルクルバニー 幾年も 齢重ねて 何故に 未だ苦難を 受けて悟らず
秋鵠空(さとあき) 薄きむね 逆さの地平どこに、手に、弧と言へ血の差重ねむ奇数
秋鵠空(さとあき) 薄き胸 探す期待と素なる有る 謎解いた接吻(キス)重ねむ奇数
だいだい 仲間だと呼ばれなくなり過ちの重さに気づく風は吹かない
秋鵠空(さとあき) 雲送る岳(タケ)包み雨 問ひのみの一目編みつつ気怠く重く
クルクルバニー 怖れては 何もできない この世にて 慎重でかつ 大胆であれ
力丸 八重桜咲いて呼ぶ呼ぶ初夏の風愛犬走る私も走る
クルクルバニー 