秋鵠空(さとあき)

傘があの遠ざかる音問ふの間のふと通る傘音の赤坂

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秋鵠空(さとあき)

遠しあの樹、鳥、風音、波も帆も皆遠ざかり時の足音

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秋鵠空(さとあき)

麹町の石垣遠き外の午後の疾き雨音(オト)聞かし命益し 雨後

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秋鵠空(さとあき)

ラソファミレドシ拾え音 陽のままの人を選びし取れ見合ふ空

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秋鵠空(さとあき)

洋日傘ふと 九段の風の遠い恋音乗せカノン指揮棒振る空は

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今紺しだ

中庭に立つ我の名は二階より一音ごとに光りつつ降る

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秋鵠空(さとあき)

惜しめ友花遠し あの樹と山や 時の足音汝は求めしを

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袴田朱夏

花の名をスズランとしたその人のこころの鈴の音のあったこと

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クルクルバニー

本音では 生きちゃだめよ 天が言う 抑えの利かぬ 暴走列車

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梅鶏

母の手で切られた髪が新聞の上で乾いた雨音になる

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