風船

女郎花風の冷たく紙風船振り向く娘はしゃぐ弟

もう二度と会えぬ人達思い伝えたく便りを風船に乗せて

風船に吹きこむものが息でなく愛であったらよかったのにね

満月しじま

退社時の解放感は歳得ても　手から離れた風船空へ

disguise!（擬装せよ）の声は届かず風船は青空をただ射抜かれゆけり

ふにふにヤンマー

「干している服を着るの」と子は朝に風船を割る私のなかの

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