カササギ

風立ちぬ窓一枚の隔りは令和五年のサナトリウムに

後にする木漏れ日の中病棟を蝉は鳴き果て鈴虫の声

これほどに俺は俺だと自覚する場所があるとは　患者となりて

あの頃の未来に立っているけれどやけに眩しく光るあの頃

誰からも教わったことないのにねマスターしてる嘘のつき方

　爆弾を造り妻子を養って夕餉の皿に魚の死体

できないと呟くだけであなたには愛を囁くこともできない

すっぴんで鏡を覗くたびに問う自分はいつも自分であるか

会う人に合わせてキャラを変えているあなたの見てる私はだあれ？

タイトルとURLをコピーしました