狭山茶

天井を見つめ過ごせし床の上隣の人はもう旅立ったか

LPに刻んだ記憶の数々よ旋律までも消えてゆくとは

ファインダー淵から溢るる向日葵ら現像できぬ悔しさ覚えて

戦場で涙に暮れる命があって何も知らない命があって

LPに記した夢の数々を思い感じて偲ぶ夕暮れ 37の夏を数えて

ファインダー淵の中の霧の町現像できぬ寂しさ覚えて

サッシ窓ひとつひとつと散る雫落つる速さは二人のようで

空見上げあれは何座と我に問う世も星さえも未だ知らぬのに

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