葛葉

振り解くサヨナラさえも飲み込んで優しさ残して君は去る

庭に咲く花の紅ほど鮮やかに僕らの恋も咲けよと願う

宵闇に膝を抱えて君想う心の防火扉おろして

セルリアンブルーの海に反射する君の横顔両手で掬う

すみっこに置き忘れたの愛というかたちにならぬ心の叫び

君の背を追いかけきれずにゆらゆらと揺れるこころに夏が駆け出す

桃の香に似ていたと知る頬伝う君の涙を受けとめながら

君からのそれはやさしい嘘でした気付かぬふりで僕も嘘つき

ふと君が疲れた時に羽根伸ばす優しい場所でいられたらいい

寄り添って歩く幸せ影法師さえも離れがたしと語る

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