
みどり


屈むのがやっとの思いの老父の巻き爪を切るやるせなさよ

我が進路 医歯薬理工で良いんだっけ? 卒業しても もやもやしてる

空腹に目覚めてかじるデニッシュを その食欲は育ち盛りなり

他愛なく遊んでいたのが懐かしい 今となっては大活躍する彼女

いつも買う 惣菜食して悪心がし いい加減に合わないことを知る

健診の結果はまあまあ良かれども 体の衰えは確実に進む

秋風が日だまりの中での幼き日々を そっと私に教えてくれた

兄弟の 便りがなくなり はや数年 変わらぬ番号に今日もかけてみる
