中原鼠栞 中原鼠栞
中原鼠栞
中原鼠栞 人間は何かを捨てて軽くなる わかっているさ。かくなるうえは
中原鼠栞 黙って繋いだ手、汗にじんでゆく あついね。春になるんだろうか
中原鼠栞 散髪屋踏み切りの音土瀝青 調べてみてもわからない曲
中原鼠栞 書き綴る哀しみの名はヴォイニッチ 誰も解けない鎖の結び方
中原鼠栞 時間は残酷だ。誰も今日から三月などと言わないでくれ
中原鼠栞 遊歩道はずれて裸足で奥のほう言葉の雨に耐えられなかった
中原鼠栞 春の夢ひとの弱みはいつだって 鳥のほんとう風のほんとう
中原鼠栞 言わぬが花は誰の花?見られずに心のしげみへそっと隠して
中原鼠栞 