煮沸すすぐ

終助詞に委ねる役もない夜だ　「だわ」も「かしら」も霧笛のように

煮沸すすぐ

軽トラの荷台に乗った記憶から犬が消えたし夏は終わりぬ

煮沸すすぐ

世界には無数の椅子があるけれど私のないしパレードするね

煮沸すすぐ

お仕着せのポケットふくらむシルバニア　いのちふたつで入電無視す

煮沸すすぐ

冷蔵庫開けて麦茶の水位見る　おばけになった気分の三時

煮沸すすぐ

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