男女

冷めきったコーヒー残し倒れ伏す驕れるものの夢ぞ散るらむ

「仕方ないよね」と微笑んだ君から僕の頬へと届く引力

去年まで私のものだった場所べつに見たいわけじゃないのだけれど

夕暮れの音楽室が好きだからきっと明日も鍵閉め当番

ひたすらに呑み込んで肥大してゆく終わりなき雨粒の共喰い

君に会えぬ苦しみを牛タンに込め噛みしめる狂おしきメシ

シフト明け「やわらか戦車」口ずさみ今日も退勤たましいを磨く

翼なく太陽をひた睨むもの鎧まとひて佇むトカゲよ

木枯らしの訪れを知り身を揺する大銀杏のあった公園

端折った話こぼれ落ちたニュアンス拾われた下ネタに負けてる

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