久々に家族そろって囲む鍋 湯気の向こうの笑顔が沁みる
題『ささやか(テーマ詠)』 にて
古傷が不意に不安を駆り立てて他愛ない言葉深読みをする
題『深』 にて
秋の夜に優しく響く虫の音は孤独な我の子守唄なり
題『夜』 にて
秋風に急かされながら衣替え ヘビロテTシャツ振り返る夏
題『自由詠』 にて
認めたくなかっただけでアイツには多分一生敵わないって
付句『認めたくなかっただけで』 にて
誰にでも優しい君の眼差しが時折僕を不安にさせる
題『時』 にて
口下手な夫がボソリと礼を言う 「世話かけたな」と退院の日
題『口』 にて
ちょっとだけ 淋しい日には 一つだけ ビタミンカラー 差し色にして
題『色』 にて
正月は待ってるからと母のメモ 小包みの中の柿に紛れて
題『から』 にて
「ごめんなさい」泣かないつもりだったのに次から次へ溢れる涙
題『次』 にて
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