お前らの記憶も直に消えてゆく目覚めぬままに春が来るから
題『春』 にて
犀角のようにと仏は説くけれど岩で削られるのは勘弁
題『角』 にて
物事の価値はずれゆくこの水が砂漠で有難がられるように
題『水』 にて
友人の子の掌の温もりに我が薄命を暫し恥じ入る
題『自由詠』 にて
秒針と秒針の間の静寂の時が毎秒違う気がした
題『時』 にて
あの頃の記憶は殆ど無いものの悪い事とは思えぬ忘却
題『忘』 にて
懐かしきジャングルジムを前にして己の背丈の成長を知る
題『自由詠』 にて
「夢に出た」ということだけ覚えてる もういい加減忘れてる顔
題『もう』 にて
どこからが夜でどこまで夕方か 西に緋色正面に星
題『夜』 にて
「副作用:悪夢」と記されてる袋 キツい薬を誤魔化す糖衣
題『くすり・薬』 にて
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