家族には見せぬ優しい笑み浮かべ彼女と歩く息子の青春
題『家』 にて
台風が近づいてくる秋空に埃のような雲ながれゆく
題『雲』 にて
二度と来ぬ高校最後の夏休み想いは日記に閉じこめたまま
題『来』 にて
見逃した古いドラマの最終回見ているような君との再会
題『終』 にて
風鈴のかすかに揺れる鄙の宿 夫と二人でまどろむ夕べ
題『ニ』 にて
斎場を出てとぼとぼと歩きゆく見知らぬ街に夕闇せまる
題『緊張(テーマ詠)』 にて
三毛猫とトラ猫が棲む裏通り今も心に浮かぶふる里
題『通』 にて
瑠璃色の夜明けの空にまたたくは迷子のような金色の星
題『明』 にて
初盆に帰省できない親不孝 心で経を唱えて詫びる
題『盆』 にて
ご感想いただきありがとうございます。年々故郷が遠くなるように感じています。
題『東西南北いずれかを読み込んで』 にて
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