この夜にいくつか浮かぶ星団の役目としてのタワーマンション
題『自由詠』 にて
ときどきは雨を枯らしてさみしさの水位をやわらげる最上川
題『最』 にて
待ち合わせ場所のあなたに駆け寄ればみじかいワルツに変わる足音
題『足』 にて
もう生きていないひとともすれちがう昼のスクランブル交差点
題『生』 にて
うつくしく部屋分けされている君のとてもA型ぽい冷蔵庫
題『部屋(テーマ詠)』 にて
まだ君の私物の残る部屋にいてラヴィットばかり今朝もあかるい
題『朝』 にて
最後まで願いを聞かず走り書きみたいに去っていく流れ星
題『書』 にて
なんてことないきっかけであなたとは輪廻のたびに出会ってしまう
題『きっかけ(テーマ詠)』 にて
まだ呼ばれないさそり座を一位だということにして変えるチャンネル
題『一』 にて
惜しまれるうちに去りたい十月の桜並木は風の吹くだけ
題『自由詠』 にて
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