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家出せし少女は書類の父母欄に「知らん!」「知らん!!」と書きなぐりけり
図書館のあの司書さんのお気に入り 絵本は我に命を与えし
日記帳 貴方のことを書き留める 埋まることない空白のページ
かにかくに書き散らしては掃き捨てて それでも書かずにおれぬ心よ
黒板に名前を書けば笑われて転校生としての一日
書き置きに鍵はポストにごめんねと一行残した青春情話
履歴書作成するは28年ぶり思い出すたび踏ん張った日々
職場での飲み会帰り書くLINE 距離感掴めず語尾悩む
「マサラダ」とあるけどたぶんマラサダだ絵葉書に見るワイキキビーチ
あなた宛て書いて投函した手紙 宛所なく返ってきてた
図書館で殺人犯の手記を抱き君は世界が終わると言った
書いて消しまた書いて消し繰り返し 想いを言葉にする難しさ
「大嫌い」壁に娘の走り書き思春期来たこと教えてくれた
手紙などもう何年も書いてない切手は今はいくらだったか?
もう少し表現あれば生きる句も書いて悔める所詮と眺め
卓上のカレンダーには妻の字で書かれた記録「おもちのうたすき」
二回目の清書のつもりも払いがかすれ最高の集中力で
退院の農夫の父に書をえらぶ コンパニオンプランツ 支えよ
結露する車窓に君の名を書けば頬にはすじ結露
1センチ超えて出戻る封書には26円ふそくの事態
IT化義務教育の漢字さえ書かなくなった書けなくなった
今はもう黄ばんだ本の片隅に「産まれた」とあり父の書き込み
古書捲りゃ[こひし]の文字に蛍光ペン元の持ち主何を思いて
積ん読本書棚に溢れし本好きは嬉しい遺伝子なり
『書』の字の横線のあいだ丁寧にそろえるように心ととのえる
あこがれが恋の一文字書き起こししのぶもじずりなどと戯れみる
書き順を間違えたかなあの恋はコントロールZにならなくて
いい本が見つかったかな父親の書棚をあさる息子の気配
書く機会少なくなった現代で漢字は読めるが書けなくなって
家出せし少女は書類の父母欄に「知らん!」「知らん!!」と書きなぐりけり
図書館のあの司書さんのお気に入り
絵本は我に命を与えし
日記帳 貴方のことを書き留める 埋まることない空白のページ
かにかくに書き散らしては掃き捨てて それでも書かずにおれぬ心よ
黒板に名前を書けば笑われて転校生としての一日
書き置きに鍵はポストにごめんねと一行残した青春情話
履歴書作成するは28年ぶり思い出すたび踏ん張った日々
職場での飲み会帰り書くLINE
距離感掴めず語尾悩む
「マサラダ」とあるけどたぶんマラサダだ絵葉書に見るワイキキビーチ
あなた宛て書いて投函した手紙 宛所なく返ってきてた
図書館で殺人犯の手記を抱き君は世界が終わると言った
書いて消しまた書いて消し繰り返し 想いを言葉にする難しさ
「大嫌い」壁に娘の走り書き思春期来たこと教えてくれた
手紙などもう何年も書いてない切手は今はいくらだったか?
もう少し表現あれば生きる句も書いて悔める所詮と眺め
卓上のカレンダーには妻の字で書かれた記録「おもちのうたすき」
二回目の清書のつもりも払いがかすれ最高の集中力で
退院の農夫の父に書をえらぶ コンパニオンプランツ 支えよ
結露する車窓に君の名を書けば頬にはすじ結露
1センチ超えて出戻る封書には26円ふそくの事態
IT化義務教育の漢字さえ書かなくなった書けなくなった
今はもう黄ばんだ本の片隅に「産まれた」とあり父の書き込み
古書捲りゃ[こひし]の文字に蛍光ペン元の持ち主何を思いて
積ん読本書棚に溢れし本好きは嬉しい遺伝子なり
『書』の字の横線のあいだ丁寧にそろえるように心ととのえる
あこがれが恋の一文字書き起こししのぶもじずりなどと戯れみる
書き順を間違えたかなあの恋はコントロールZにならなくて
いい本が見つかったかな父親の書棚をあさる息子の気配
書く機会少なくなった現代で漢字は読めるが書けなくなって