母に似た父を見つめてものすごい時が経ってしまったと知る
題『母』 にて
夢のなか狂おしいほど咲いている眼(まなこ)の花が暖かかった
題『温・暖』 にて
泣くという行為に人生捧げたら来世は川になれるのかしら
題『泣』 にて
知ってるよ 庭のはずれの方にある離れにあった憧れのこと
題『離』 にて
夢に出るきみが近づき触れられるくらいになった もうじき春 死
題『触』 にて
大丈夫、気にすんなって、お金ならいくらでもある(←着服してます)
題『着』 にて
日曜から月曜までのまどろみをレンジにかけておやすみなさい
題『日』 にて
どことなく彼に似ていたジャガイモがわたしの箸で崩れる夕餉
題『どこ』 にて
ぶん投げた板チョコくんがぐんぐんと大きくなって空飛ぶじゅうたん
題『チョコ』 にて
世界から消え去りたいと願うほど世界の形がはっきり見えて
題『自由詠』 にて
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