うたの日

ふにふにヤンマー

disguise!(擬装せよ)の声は届かず風船は青空をただ射抜かれゆけり

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小金森まき

方角に中心はなくおのおのの東日本へ瞳を閉じる

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袴田朱夏

自粛では消費しきれぬ春があり川辺に子らがたんぽぽを吹く

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梅鶏

「幸福の島」と記憶に留めつつフクシマという手話繰り返す

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袴田朱夏

合格者発表前夜チャート式数学Ⅲに積み上がれ春

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袴田朱夏

あなたとの海がシーツに戻りゆく春はいつまで眠るのだろう

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鈴木精良

パノラマの水平線の弧のように、離れてわかる優しさのこと

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ふにふにヤンマー

ひとやうになどかはあらむ紫陽花のうつろへば葉のみどり若立つ

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袴田朱夏

クリオネのそこが頭じゃないようにあなたの前で少食になる

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袴田朱夏

助手席のきみの寝息のふわふわを預かっている法定速度

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