
思


色秘めて 奏づ琴音を 知らずとも 萌ゆる春芽と 逢はんと思ふ

私にも夢があったと思い出す 逸れていくのを自覚している

枯れた花 いつ捨てるのか 枯れたまま 花瓶に挿してわが身を思う

僕の名を舐めて触って確かめて 分かって欲しいとか思わないけど

思い出には少しの嘘が混じってるどこがそうかは忘れてしまう

雲一つない日には心も澄んで 悩みない日にしたいと思う

絵に描いた餅は食えぬが絵に汁を掛けた奴らも食えぬと思う

染め薫り ときと過ぐるる 一年(ひととせ)を 思ひ慕ひて 君とあいゐる
