梅鶏

まだ母の小言がつづく そろそろと浸水をする玄米二合

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凪海

マスクから溢れた白い息は水まつ毛に万華鏡のまばたき

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羹鱠

茜さす 照る陽に実る 水蜜を 望む生ひ先 初の水無月

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羹鱠

月の夜は 忍ぶ思ひを 偲ぶかな 雲間に見ゆる 初の水無月

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塩本抄

夜勤あけの朝陽は缶に反射して鯖の水煮のたしかな塩気

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かたつむり

サボテンに水をやる土曜日の昼あなたに置いていかれた同士

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たいた

少年はひとりで帰る投石は水面に映る空を歪ませ

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かも

スーパーの手洗いの水が温水に変わる頃には来ると言ったのに

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sail

水面を見つめていますぐるぐるぐるぐるぐるぐるお腹がすいた

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塩本抄

黄昏を分けてもらったあかるさで水平線をなぞる漁火

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