牙

夢砕く恋のいとまの雷鳴に秋は虚しく残酷の牙

恐怖から両目を覆う優しい手口付けようか牙を立てるか

たかがごっこあこがれだけの恋遊戯夏の魔物が牙を剥く

とある夏祖父が田んぼでつかまえたするどき牙を持ったマムシを

恋だって時には牙を剥くのです研ぐか磨くか痛いでしょうが

誰もみな感情の牙かくし持つ自動小銃の引き金引けり

ねこがともだちのうさぎの毛をなめてととのえてから牙を刺す午後

知るほどに愛はけだもの牙を剥き恋は怠けて浮き寝の懸想

小国に　大きな国が　牙を剥き　襲い掛かるは　今も昔も　

クルクルバニー

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