凪海

凪海

追憶はたばこの煙に目がしみる積もっていくサザンカの赤

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凪海

とうめいの夢起き出て梨を剥く諦めに似たこれを愛として

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凪海

透きとおる命が水面を揺らしたのは雨の季節で、渇くくちびる

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凪海

8月の満月が落ちた暁に別の故郷で一緒にみようか

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凪海

つぎもまた線香花火まよなかにふたりっきりでこっそりしようね

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凪海

君が撮るカメラロールに居たわたし救いだったよ愛されたいこと

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凪海

暑さでは鬱陶しくてサルスベリ絡み合う汗肌の浅はか

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凪海

旅行後のアルバムにいる枚数が愛され度合いに比例していて

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凪海

散るときに花火はやはり「花」と思うバケツの水に溶ける切なさ

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凪海

後でやろうって全部全部そのままに死ぬような人間だ私は

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