満月しじま    満月しじま
            満月しじま    
            満月しじま    なにもかも春は輪郭やわらかく雨さえ愛のように思えて
            満月しじま    「玉ねぎがしみただけだよ。大丈夫、つらくて泣いてるんじゃないから」
            満月しじま    菜箸で黄身と白身をかきまぜる 君に問いたい不倫の理由
            満月しじま    傷を抱き疲弊せし吾を今やっと泣かせてくれた鮭の塩焼
            満月しじま    寒いなら私の熱をあげるからだからひとりで震えないでよ
            満月しじま    届かぬと知るも紡いだその詩が思わずこぼれ落ちてしまった
            満月しじま    関係が終わるときには体内でなにかの音が響く気がする
            満月しじま    その方はいつも心に燃え盛る炎を抱いて生きていました
            満月しじま    